日本古代史を学ぶための漢文入門
漢文が自由に読めたら、古代史をもっと楽しく学べるのにと思う人や、奈良の古代史をもう少し深く調べてみたいという人もいるでしょう。
第Ⅱ章では、『令集解』『類聚三代格』『続日本後紀』などの漢文史料を解読する手順や方法が述べられています。ここでは、古代の知識人が、どのような漢籍を読んでいたのかも解説しています。たとえば、『日本書紀』を書くとき、詩文などの文献をまとめた『芸文類聚(げいもんるいじゅう)』を参照した場合が多かったといいます。また、古代の官人たちが確かに手にしたといえる漢籍のうち、『千字文』が、入門用として広く読まれていたことが、出土した木簡の練習用の文字からわかるといいます。
第Ⅲ章では、日本に将来された漢籍や、中国の隋唐時代の研究をするための漢籍にはどんなものがあるのかを解説します。さらに、漢文入門書や辞典、参考書の紹介や、正字・俗字・異体字の説明におよび、漢籍・中国本を扱う書店も掲げます。
古代史を読み解くために必要な漢文知識を満載した本格的な入門書です。