唐古・鍵遺跡の考古学
本書は、六人のパネリストが唐古・鍵遺跡の重要性や、『唐古・鍵遺跡学』の研究方法など様々な角度から提言しています。
唐古・鍵遺跡は、1901年(明治34)年高橋健自博士が『考古界』に報告して以来、100年におよぶ調査で弥生時代を研究する上で重要な遺跡であることが分かってきました。本遺跡は、約30万平方メートルの広さを持つ大環濠集落で、楼閣を描いた絵画土器の出土によって脚光を浴びています。また、最近では不老長寿を理想とする神仙思想の薬として珍重されていた鳴石の出土が伝えられています。
今後も弥生時代の解明にとって重要な発見が期待されている本遺跡について、田原本町教育委員会では、『唐古・鍵遺跡学』を創設し、弥生の情報発信基地をめざして行くといいます。本書はこうした『唐古・鍵遺跡学』の入門書として推奨します。