父祖たちの風景
著者の祖父が北海道に移住したのは、明治22(1889)年8月に、十津川村を襲った豪雨の後です。吉野地方で、同月19日の総雨量は1000ミリメートルを越えたと推定されています。豪雨による山腹崩壊、河川氾濫と新湖の形成、さら […]
著者の祖父が北海道に移住したのは、明治22(1889)年8月に、十津川村を襲った豪雨の後です。吉野地方で、同月19日の総雨量は1000ミリメートルを越えたと推定されています。豪雨による山腹崩壊、河川氾濫と新湖の形成、さら […]
天理教は、大和国山辺郡三昧田村(現、天理市)に生まれた中山みきの教えに基づいた宗教です。 みきの両親は浄土宗の信仰に篤く、その雰囲気に馴染んで育ちました。中山家に嫁いでいた父方の叔母が、13歳のみきの優れた気質にほれ込み […]
本書は、天皇中心の立憲国家の文化面でのあらわれとしての「古都」の創出をテーマとします。奈良・京都の古都は、日本の「歴史」「伝統」「文化」を具現するものとして、近現代を通じて作り出されます。その際、古都奈良については、「神 […]
神と仏ほど異質なものはないはずなのに、長い間カミホトケといって一心同体的な存在として生きてきましたが、今後は同棲まかりならぬ、というきびしい指令が発せられました。明治元年(1868)のことです。 本書には、全国の主な寺社 […]
本書は、戦国期から近世の大和国あるいは南都の興福寺・春日社を中心とした歴史を述べたものです。 第一部では、興福寺の変質を、寺僧の集会記録の「興福寺学侶引付」や寺僧の出身の「家」との関係から探っています。また、春日社の春日 […]
本書は、奈良県吉野郡北山郷(下北山村)にある倉谷家に伝わる年代記です。倉谷家は近世には庄屋などを務め、明治にも村の要職についています。内容は、慶長3(1598)年から明治42(1909)年の311年におよぶ村内の出来事や […]
吉野林業地帯は、奈良県吉野郡川上村・東吉野村・吉野町・下市町・黒滝村・五條市東吉野町・大淀町です。吉野材は、書院建築に使用される丸太として名高かったのです。伐期は25年ないし30年程度でありましたが、密植林の樹齢20年や […]
政治文化は、藩世界の諸集団で陶冶、醸成され、祖先の勲功なども取り入れてつくられました。津藩の政治文化として「殿様は当分の国主、田畑は公儀の田畑」という認識は有名です。 この津藩世界が産み出した人材で、大和とも縁の深い西島 […]
柳沢文庫の学芸員西村幸信氏が、生前に発表された著作物を集成したもので、中世後期から近世にかけての村落の研究と、大和の地域史研究の二部にわけて編集されています。 第一部の「中近世移行期の村落と中間層」は、多くの事例を大和に […]
私たちが日々目にする景観には、古代にまで遡るものが残存していますが、著者の専門の歴史地理学は、その点を利用して過去の景観を復原しようとします。当時の人々の地理的知識・場所のとらえ方は絵図に描かれているといいます。 本書で […]